2019/11/08 09:44
モイ！
今回は前回に続き、ケスティのポットのお話です。
蚤の市でフタが開かなくなったまま購入したポットのその後。
とりあえずは、他の食器たちとともにしっかり梱包して郵便局から発送しました。
こと時はいつもドキドキ。
食器が無事に届きますようにと祈ります。
そして、また今回も旅が終わると、惜しみながらムムリクたちも帰国。
数日後、送った荷物が届きます。
そしてまたドキドキ。
割れていないか、どこか破損していないか、緊張の瞬間。
今回は割れたり、大きなダメージを受けているものはなし。（奇跡）
うっすらと、あれ、ヒビ？みたいのは気づいたらあったりする。。
ケスティのポットも無事でした。
あとは、フタがとれさえすれば完璧。
ポットが入っていた箱は、一番最後に開けました。
それまでにたくさんの食器の封を解き、新聞とプチプチでのWコーティングをはがしました。
そしてポット。
お願いします、フタとれて！と思いながら、まずは小細工をしないで慎重にそっとフタを回します。
どっちに回せば正解か、逆だと余計に締まってしまう。
考えて、考えて、慎重に、慎重に・・・
力を入れては抜いて、入れては抜いてを何度か繰り返しました。
すると・・・
カタっと、外れた音がしました。
なんと、フタがとれたのです！！
ふ～っと、力が抜けて、心の中で、とれた～と叫びました。
感動の瞬間です。そして安心。
すぐさまフタを開けて、中に入れていたクーシの小さいグラスを救出。
おじさんのところで買った、キラキラのクーシと見事にご対面できました。
それがこちら⤵
なぜ開けることができたのか、思うと、手の状態だったのではないかと思います。
この時は、たくさんの食器の梱包を解いて、新聞を触りまくりました。
おかげで手は真っ黒。
油分も持っていかれてもうがっさがさ。
が、そのままの状態でポットを持つと、なんか力が入ったのです。
手が滑って力が入らない、なんてことがなかったのです。
もちろん、力みすぎないように加減しました。
ダメなら輪ゴムか？オイル流すか？と考えていたのですが、しなくてもすみました。
なんて嬉しかったことでしょう。
クーシもケスティのポットも無事。
これで無事販売ができる。
そのつもりで、しばらくそのまま置いておきました。
ケスティの異変に気付いたのは、その数日後でした。
数日をかけて、買ってきた食器をもう一度よくチェックし、きれいにクリーニングしました。
ケスティはまた最後の方。
フタが取れたことに安心していたのです。
だから、この子にもう問題はないと思っていたのです。
が・・・
拭いていると、底に何やら亀裂が見える。
え・・・
うそでしょ、と思いながらめっちゃガン見する。
やっぱり、亀裂がある。
しかもそれは、一筋ではなく、四筋ほどに裂けている。
ひっくり返して、内側からも底をのぞいてみる。
内側からも、同じ亀裂が見える。
ヒビだ。
これはもう完全なるヒビ。
考える。
いつついた？
もちろん、現地で買ったときにはついてなかった。
最初からついてたら、さすがに買わない。現地では見落としていなかったと思う。
では、輸送中？
荷物が着いて、最初にポットを取り出した時、ちゃんと見た・・・かどうかの記憶がない。
見たんじゃないかと思うけど、フタのことが気になりすぎてスルーしたかも・・・
そしてフタが取れた時。
その時はもうそれで安心して、その後全体を見返すなんてことしないで、そのまま置いておいた気がする。
フィンランドを出て、どの段階で入ったのかわからないヒビ。
一番思うのは、フタを取る際の圧力と言うか、その時かかった力のせいで、いってしまったのではないか・・・ということ。
ショック・・・
（やはりもう、この子は販売はできないか・・・）
そう思ったとき、ふと、こんな風に思いました。
”この子は、ここにいたいのではないか”
販売はされずにここにいたい。だから傷を負ったのだ。
そう思ったとき、この子は手元に置いておこうと思いました。
ヒビだけなら、訳あり商品として安く販売することもできなくはない・・・
だけど、、
まるで、売らないでくれと言われているような、そんな気がして。
ではなぜ、フタが取れたのか。
もしフタが取れなければ、もうそれだけで販売はなしです。
あ～あ、残念で終わりです。
フタが取れたのは、中のクーシを取り出させてくれるため。
もしかしたら、長旅で弱っていたのかもしれません。
でも、割れはしませんでした。
原型を留めたまま、クーシを出して、そっと傷ついたのです。
もう手放すことはできず・・・
自分で、大事にすることに決めました。
これが、ムムリクとケスティのポットのこと。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
モイモイ。
これが裏側のヒビ⤵
